1人1票を理解するキーワード〜その6〜

Q6 発展が遅れている地方の利益を考えると、地方票を重くした方が実質的には公平ではないですか?

A6 選挙制度は地方にも公平中立であるべきで、地方にどういう政策を採るかは国会議員が全国民の代表としての視点から国会で議論すべき政策問題です。

   地方の声を国の政治に反映させることはたしかに大事なことです。しかし、都市の住民の選挙権を0.2票に押さえるようなやり方で実現すべきことではありません。それでは、少数決によって日本の国が運営されてしまい、民主主義が全く機能しなくなってしまうからです。ですから、選挙制度のような民主主義を実現するための手続は、誰に有利にもならないように、あくまで公平中立であるべきです。
   国の発展は、地方、都市、双方の発展なくしてはありえないのですから、都市から選出された議員が都市の利益しか考えないはずはありません。ですから、票の重さを人為的に操作するようなことをしなくとも、地方の利益を実現することは十分可能なのです。

   しかも、そもそも国会議員は全国民の代表者であり、選挙区民の代表ではありません。憲法43条にはそう明記されているのです。地元に利益を誘導することが国会議員の仕事ではありません。過疎の問題をはじめとする地方の問題に対して国がどのような手を打つかという政策問題は、都市から選出されたか地方から選出されたかを問わず、何が全国民の利益にかなうかという点から議論して判断すべきことなのです。

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