在外邦人国民審査権確認裁判

平成23年4月26日、東京地裁(八木一洋裁判長)は、在外邦人が国民審査権を行使できない事態を生じさせていたことの憲法適合性については重大な疑義があったと判決しました。事実上の「違憲状態判決」です。
関連リンク先: 伊藤塾HPでは、伊藤真弁護士の本判決についての解説が掲載されています
【2018年追記】
衆議院選挙と同時に行われる最高裁裁判官国民審査につき、在外邦人が国民審査権を行使できないのは憲法に違反するとして、想田和弘さん(NY在住・映画監督)ら5人が、2018年4月12日、次回の国民審査で審査権を行使できることの確認などを求める訴えを東京地裁に起こしました。
当国民会議もかねてから主張しているとおり、国民審査は、選挙権と並ぶ国民の参政権です。
当国民会議は、この裁判に注目し、今後裁判情報をお伝えしていこうと思っています。
【裁判傍聴レポート】
第1回(2018.6.11 10:30am)
第2回(2018.8.23 11:30am)
被告準備書面(1)(訴状に対する反論の書面)、被告提出証拠、原告第1準備書面(被告準備書面(1)に対する反論の書面)、原告提出証拠が提出されました。
次回、被告は、原告第1準備書面に対する反論を尽くす予定とのことです。
次回期日:11月1日(木)午前11時半から、東京地方裁判所703号法廷
第3回(2018.11.1 11:30am)
原告側が被告国側が提出した準備書面(2)で、技術的制約があって投票に間に合わないとしている点について以下の釈明をもとめました。
(1) 在外公館によっては間に合わないところもある、としているが実質的な理由になっていない
(2) 投票用紙の調整に要する期間と投票用紙の送付に要する期間について何日だと具体的に教えて頂かないと議論できない
(3) 洋上投票は行われているのに、在外公館では不可能という趣旨を明らかにしてほしいと要望しました。
 これに対し、国側は再三、準備書面がすべてと答えたため、いったん裁判長ら3人が退廷し合議した。その結果、裁判長が「(提出されている)この資料を前提に判断したい」と述べ、原告側の釈明要求は拒否された形になりました。
 この後、原告の一人であり、ブラジル・サンパウロ在住で一時帰国中の原告本人が2歳8日月の息子を脇に抱えながら、「国民審査という最高裁裁判官に対し民主的コントロールを及ぼす制度を在外国民に認めることは重要だ。一日も早く違憲状態が是正され、正しい国民審査権が認められるように判断してほしい」と力強く意見陳述しました。
次回期日:12月20日(木)午後1時20分、東京地方裁判所703号法廷
第4回(2018.12.20 13:20pm)
原告訴訟代理人・吉田京子弁護士:
 被告の国側は「技術的な理由で在外国民審査は実施できない」と20年間ずっと同じことを言っているが、「これは間違いだ」と指摘。「在外国民審査に技術上の制約はない、審査の公正を害することもない」ことは2000年以降の国政選挙での在外投票が裏付けている。国は「選挙はできるのに、審査はできない。投票用紙が違うからだ」と主張するが「その違いは簡単に乗り越えられる」として、原告側は具体的に@自書式A分離記号式Bwrite-inの三つの方式を提案しているのに、国側はなお「投開票に時間がかかる」とか「過誤投票が増える」と言って反対していると述べた。
吉田弁護士は、被告の主張は「在外国民審査が不可能だというのではなく、大変だということ」に過ぎない。だからといって、「憲法上の権利をないがしろにしてよいはずはない」としてこの確認訴訟で裁判所が憲法適合性について判断を示すよう重ねて求めた。裁判所がこの議論を避けて国側が在外国民の権利を侵害し続けることは許されないと締めくくった。(吉田弁護士メモ)
続いて同じく原告訴訟代理人で原告でもある谷口太規弁護士:
 アメリカに留学、働いていた体験を踏まえて、海外に暮らす日本人は住民票のあるなしに関係なく、そこで得た経験を日本に持ち帰り役に立ちたいと思っている。その彼らを「一律、民主主義のプロセスから排除する理由は何もない。正当化する理由もない。排除することによって得られる利益もない」と陳述した。 その上で、海外での国民審査は技術的に不可能だとする国側の主張は空疎だ。実際、「現代の技術を使って、投票用紙の調整・送付・投票、どのプロセスに、どの程度時間がかかり、どの在外公館ではその対応ができないのか、国は具体的な事実に関する主張も立証もしていない」と強調、憲法上、「重大な疑義があると言われて7年。裁判所は、海外にいる日本人10万人以上の憲法上の権利確認に正面から取り組んでほしい」と訴えた。(谷口弁護士メモ)
被告(国):
 「従前の主張で十分と考える。更なる準備書面を提出する考えはない」と述べるに留まった。
森英明裁判長:
 「大変難しい論点を含んでいる。裁判の構成体が変わったので直ちに終結はしない。双方に釈明したり主張を求めたりすることはないか。確認したらもう一期日取らせてほしい。求釈明事項等あればなるべく早く出してほしい。」として年明け2月5日(火)を第5回期日に指定した。
提出書面:原告第3準備書面
次回期日:2019年2月5日(火)午後1時30分、東京地方裁判所703号法廷
第5回(2019.2.5 13:30pm)NEW!
この日の期日は、判決言渡しの期日指定のみ。 判決言渡期日:5月28日(火)午前10時30分(703号法廷)

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